最終更新日 2022/06/05

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110話 クリスマス

12月24日(火曜日)

日付は飛んで、今日は12月24日クリスマスイブ。

クリスマスイベント

12月11日から、クリスマスイベントが開始。

内容としては、魔物を倒して貰えるイベントアイテムをサンタに持って行き、
好きな景品と交換すると言うもの。

ただ、サンタは1人では無く、偽装した黒サンタがいて、
イベントアイテムを奪うべく、レイドボス化する。

つまりは、簡単な収集か、難易度上がるが褒美が良いレイドボスの二択になる。

関係者で、このイベントに参加したのは、
カイト達のパーティー、ミュウちゃん達のパーティーの2組。

僕とユヅキは、いつも通りだし、
リンネさんは、生産に目覚めたようで、今も鍛冶部屋で頑張っている。

あくあさんは一時的に、ミュウのパーティーに入れて貰っている。

アカネさん達も、生産したりして思い思いに過ごしている。

そんな中で、正月に魔法陣付与装備を売り出す為に忙しいと思っていた、
イオさんが、いつもの定位置で本を読んでいる。

「イオさんは、自分のクラン放置して良いの?」

「大丈夫よ。今の時期は量産するだけだから。

それにしても、1500年前の言語を解読して貰った本を読んでいるけど、
このゲームって、裏設定を詳細に作っているわよね。

逆にそれが、色々とヒントになるから嬉しい限りよ。」

「ですね。僕もまだ、全巻読んでいませんけど、
所々に古代のパーツが書き込まれていたり、なかなか面白いですよね。」

午後5時

僕はこれからクリスマスケーキを作ろうと思っている。

クリームは街に普通に売っていたのを買って、彩りのフルーツはユグドラシルの木から採取、
スポンジは作ろうかと思ったけど、イベントの交換品にあったので、
ミュウちゃん達にお願いしている。

ちなみに、クリスマス料理は、朝から素材集めして、昼に作って袋に入れてある。

午後6時頃

スポンジ以外の準備が終わった頃、ミュウちゃん達が帰って来た。

「ただいま〜〜!お兄ちゃんに頼まれていたスポンジケーキ!」

数えると36個あった。

「いや。さすがに36個は多くない?」

「大丈夫。お兄ちゃん。お持ち帰り用もよろしく。」

シエルちゃんはそう言って仲間の元に行ってしまう。

なるほどと感心しつつ、クリスマスケーキを作って行く。

30分後

「こんばんわ。あらあら。すごい人数ね。コウちゃん手伝う事ある?」

アキホお姉ちゃんが、集まっている人数を見て、感想を言う。

「じゃあ。この袋に料理があるから、上で盛り付けお願い出来る?」

「任せておいて♪そう言えば、みんなに話したの?」

「まだ。サプライズだから、この指輪が認識阻害、
こっちの腕輪に飛行付いているから、こっそりとお願い。」

「はいはい♪せっかくの日だしね。行って来るね♪」

実は、今までお世話になった、ヴィオさん・ルクウェルさん・ソアリスさん達には、
クリスマスケーキとクリスマス料理は渡してある。

午後7時

「(周りを見渡して)呼んだ人ってみんないる?」

「コーヤ君。居ないのはカイト君達位だから良いんじゃない。」

そんな時、ユヅキが知らせてくれる。

「コーヤさん。どうやら、門の前にいるそうです。」

「じゃあ。許可出して、中に入って貰って。」

「はい。」

5分後

「お疲れ様です。パーティーメンバーの皆さん。」

「招待ありがとう。本当にね。やっっっと!さっき、気が付いたのよ。この人(呆れ)」

オリエさんは、心底呆れている様だ。

「招待ありがとう。僕達はみんな、この場所だろうなって思っていたよ。
だって、あんな簡単な問題を分からないなんてね。(カイトを見る)」

ライアさんも呆れながらもカイトを見る。

その間、ユニさんと、シルフェさんもお礼の言葉を口にした。

「コーヤ!最初に教えてくれても良かったろ!」

「はぁぁ(ため息)なに、言ってんのさ。

昼休みとかに、大きなヒントを何度か出しているのに。
クラスメイトなんて、拠点前に来てたりしているのに。

まぁ。その話は後で、そろそろ、クリスマスパーティーを始めるからさ。」

「コウちゃん。アカネちゃんに手伝って貰って準備完了したよ。」

アキホお姉ちゃんから、準備完了の合図が来た。

「ありがとう。はーーい!みんな!
アキホお姉ちゃんの指示に従って、パーティー会場に移動して!」

アキホお姉ちゃんが移動すると、みんな付いて行った。

「ユヅキも先に行ってて」

「はい。分かりました。」

みんながエレベーターもどきに載って上がっていくのが分かる。

頃合いを見て、遠隔操作で、花火に発火させる。

ひゅるひゅるひゅるーーー、ドーーーーン!!!!!

花火が無事に打ち上がったのを確認すると、宴会会場に急いだ。

「コーヤ君、お疲れ様。すごいね。夜空に花火なんて、現実と違って寒くないし。」

「一応、1万発作って、後は、自動で打ち上げるから。
さて、はーーい!注も〜〜〜く!これから、クリスマスパーティーを始めます!
みんな、飲み物持った?うん。よし!じゃあ!みんなお疲れ様!乾杯!!!!」

「(出席者全員)乾杯!!!!!!!」

立食の宴会が始まり、僕は色々な場所に顔出しをした。

クラン≪天使の光≫

ミュウ組:

「あ!お兄ちゃん!すごく美味しい!」

「コーヤさんは、リアルでもこの様な料理を作るんですか?」

カスミさんが、僕に聞いて来た。

「うん。作るよ。

ミュウちゃんの家に居候していて、中学3年間のクリスマス料理は僕が作っていたよ。

何回かおせちも作った事もあるけどね。」

「え〜!ミュウちゃんもシエルちゃんも羨ましい!」

シルファさんが羨ましがっていると、シエルちゃんがブルブル震えながら答えた。

「(怖い顔で)シルファ。その考えは甘い。お兄ちゃんの料理は地獄。
美味しすぎて、気づいたら5キロ増なんて時もあった。」

「えーーーーーー!それは、いやーーーーーー!」

「でも、ここでなら、どんなに食べても増える事が無いから安心。」

「そう言えば、お兄ちゃん。この樹って、どこで手に入れたの?」

シエルちゃんとシルファさんが、盛り上がっている隣で、
ミュウちゃんが樹について聞いて来たので事情説明する。

「なるほど。そんな事があったのかぁ。ここにある作物どうするの?」

「まだ、確定じゃないけど、果物系はジャムにして見ようと思っているよ。
パンも作れるし、誰かパン屋を開いてくれれば、良いとは思うけどね。」

「それ良いね!でも、定期的に納品なんて、お兄ちゃんじゃ厳しくない?」

「それは大丈夫。王宮にお願いして、雇用対策に利用して貰う事になって、
来年には、工場が全稼働して、定期的に納品出来ると思うよ。

まぁ、とはいっても、この樹の果実が熟すのが3ヶ月程かかるから、
農業ギルドで研究して増やしてもらいたいという希望があるね。」

「なるほど。確かイースト菌開放が来年1月だよね?
だったら、パン屋も出来ると思うし、ジャムも売れるだろうし、その時は、買いに来よう♪」

アカネ組:

「どう?」

「あ。コーヤ君。お疲れ様。料理はすごく美味しいよ♪太らないし♪」

「ははは(苦笑)さっき、シエルちゃんも同じ事を言っていたよ。」

「まぁ。女の子の永遠の悩みだからね。」

イオさんが、現状報告をしてくれた。

「コーヤさん。とりあえず報告ね。正月に販売する魔法陣付与装備。
通常品が普通の宝石使用で3個付与、高級品は魔宝石使って6個付与にしたわ。
種類は、バランス型・攻撃型・防御型の3種類。一応、高いけどBTO品も取り扱うわ。」

「さて、これで、どこまで、底上げされるか。」

「そこで、1つ提案があるの。

魔法陣技術と前提条件を公開する事で、他にも見つける人が出て来ると思うの。

でも、その間、私の店でのみ取り扱う事になるわ。

たぶん、途中で限界になると思う。
だったら、適正があるかを判断出来る様にすれば?と考えたの。」

「なるほど。確かに一気に詰め掛けるしね。
要は魔法陣の本を読めるかを、判断出来る様にサンプルを置くという事?」

「ええ。自覚があれば、本を見つける事も可能だと思うわ。」

「ふむ。僕としては、構わないよ。」

「ありがとう。」

クラン《疾風雷》

カイト組:

「コーヤ!こんな、すごい、場所どうやって手に入れたんだ!?」

事情説明

「なるほど。そういう事か。」

「いや〜。こんなに美味しい料理食べるの初めてね。」

オリエさんが、料理を絶賛している。

「そういや、他の街とかで発展しそうな場所は?」

「う〜ん。どうだろうな。俺は良く分からないが。」

シルフェさんが答えてくれた。

「コーヤさん、安心して。

フィンテルが発展した理由を、街の育成だと考えた人達によって、
色々と実験的に行動しているようよ。

実際に、村で実験して、町に発展した例もあるようだから、今後が楽しみね。」

「へぇー。村でも発展するのか。当たり前かも知れないけど、考えていなかったなぁ。」

「コーヤ君。来年、今年のように波乱な展開があると思うかい?」

ライアさんから核心に迫る質問が来た。

「ライアさんは、どう思っていますか?」

「僕は、魔族再襲撃で魔族の恐ろしさを知ったけど、
結局、コーヤ君から貰った装備では無いと勝てなかった。

それに、その装備でさえ、第四エリアのボスを倒せない。

となると、魔族より1ランク上の存在がいて、そこを見据えている様に思っているんだ。」

「なかなか、鋭いですね。実はライリーさんという龍族が存在しています。

魔族・龍族がいるのだから、神族も存在する可能性があります。

それに、魔法陣の完全版は、初級のみしか見つかっていません。

数日前に行ったダンジョンで見つけた、魔法陣を少し見ましたが、
魔法陣にも数種類あるような感じです。

これらを総合すれば、他の勢力が来る可能性は否定出来ないと考えています。」

話を聞いて来たカイトが話に加わった。

「おいおい。コーヤ。本当か?
それと、魔法陣に数種類あるのは、集めるのは大変じゃないのか?」

「それはおいおい見つけるさ。

で、実は、ダンジョン産装備を露店で売っていたんだけど、
時間外に来た冒険者が、面白い物を持って来たんだ。(天使の羽を見せる)」

「(手に取り調べる)なんだ?ただの羽じゃないのか?」

「これって、偽装されているの?」

ユニさんが気付いたようだ。

「ユニさん。何が隠されていると思います?」

「うーん。(何回も鑑定して調べる)無理!わたしの鑑定レベルじゃダメみたい。」

「コーヤさん。これは、何ですか?」

シルフェさんが聞いて来た。

「(カイトから戻して貰う)
これは、天使の羽というアイテムで、神族のいる神界への入り口を開く鍵です。」

「(カイトパーティー全員)!?」

「僕も最初、びっくりした。しかも、夏休み中の8月20日に手に入れたから、
もしかすると、色々な地域に落ちているかも知れない。」

「なんと。裏では、そんな重要な事態になっていたとは。」

「本当ね。そうなると、頭の隅にでも入れておかないと。」

そこへ、料理を取りに来て話を聞いたイオさんが、話に入って来た。

「なかなか、面白い話ね。私もあり得る話だと思うわ。
特に緩み切っている間であれば、苦労しなくても、倒すのは簡単だろうでしょうしね。」

「イオさんの言う通りでしょうね。

ただ、僕達はまだ、第五エリアボスを退治していない。

だから、タイミングとしては、退治した後くらいかなと思っているね。」

「コーヤ君。良いかい?」

ライアさんが聞いて来た。

「シークレットと通常、どちらがありそうだと思う?」

「う〜ん。通常だと思いますね。魔王も通常イベントでしたし。
あのシークレットも、僕達が負けていれば、当然発生しないイベントです。
なので、神族軍が動くのは、来年後半以降だと思います。」

「ありがとう。」

ライアさんは、僕の回答で思う事があったのか、考えてるようだ。

「カイト。第五エリアボス勝てそう?」

「いや。まだ、行っていないから分からないな。」

オリエさんが話を引き継ぐ。

「そうね。ちょうど私とユニとライアが、大学受験で忙しいから、
第五エリアの探索は、来年の3月後半から4月以降になりそうなの。」

「3人は高3なんですね。」

僕達が話し込んでいると、ミュウちゃんが来て、ケーキを催促して来た。

「お兄ちゃん。これ(剣を渡す)。それと、ケーキちょうだい!!」

ミュウちゃんの”ケーキ”に、周りのみんなも反応しそわそわしだす。

「え〜と、それで、どうだった?」

ミュウちゃんに、剣の感想を聞いた。

「耐久力はギリギリだから、やはり、進化装備は最低ラインだと思う。」

シエルちゃんが答えてくれた。

「なるほど。まぁ、進化装備を渡す前だったしね。ありがとう。」

シエルちゃんとの話が終わるやいなや、
袖を引っ張るので、その方向を見ると、すぐにでも、泣き出しそうなユニさんがいた。

「あ〜(苦笑)コーヤ君。ごめんね。ユニって甘味に目が無いのよ。」

オリエさんが教えてくれたので、僕はミュウちゃんに袋を渡した。

「ミュウちゃん。この中に、スポンジ分のケーキあるから、みんなに分けてくれる?」

「任せて!!!」

すぐ様、座っていた席に戻って、ケーキを切り分ける。

女性陣はキラキラした目で見ている。

「コーヤ。それは?」

カイトが手に持っている剣について聞いて来た。

「これは、耐久力を底上げしただけの剣。攻撃力20000、耐久度は30000で新技術無し。
まぁ、その後に魔族襲撃があるとは思わなかったから、検証は意味なかったんだけど(苦笑)」

「今なら、最高どれだけ出せそうかい?」

ライアさんが聞いて来た。

「う〜ん。まだ、確認していない本とかあるんで、確定ではないですけど、
うまく行けば、攻撃・耐久と10万は出るんではないかと、想像しているんです。」

「10万か。確か、魔王の体力がそれくらいじゃなかったか?」

オリエさんが引き継ぐ。

「そうね。ただ一部では、20万ある様な事も囁かれていたわ。」

「コーヤ。以前言っていた、魔力が籠もっている木は、まだ、見つかっていない。
もう少し待ってくれ。」

「それは問題ないよ。僕も、研究して、底上げしたいし。」

話が一段落からか、リンネさんが話しかけて来た。

「ねぇねぇ。水晶(コーヤ)君。この陶器って自分で作ったの?」

「え?あ〜。土砂の中に粘土があるのを思いだして作ったんだ。」

「王都に行けば良いのがあったんじゃないのか?」

カイトが売ってそうな地域を考えながら話す。

「まあね。最初は、ユヅキの住んでいた家を解体した時に出て来た、
食器を使っていたんだけど、いかんせん、脆くてね。

何回か使うと壊れちゃって。あと、王都は見学する余裕が無かったから。」

「そうなんだ。私、陶器とかガラスに興味あるんだけど、材料ってまだ残っている?」

袋を確認すると、まだ、それなりに作れそうだ。

「うん。まだ、十分な量はありそうだから、暇な時に、コツを教えるよ」

「ありがとう!楽しみ!」

リンネさんが、珍しくはしゃいでいる。

「コーヤ。俺も良いか?テレビでガラス作る所見て、やってみたかったんだよ。」

「全然、問題ないよ。」

この後は、食べる人、しゃべる人とかでグループとなり、夜は老けて行った。

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